2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22830056
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
大上 和敏 大分大学, 教育福祉科学部, 講師 (20583876)
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Keywords | 理科教育 / 環境教育 |
Research Abstract |
温泉水試料は,河川水や湖沼水などの溶存化学種の濃度が比較的低い試料に比べて,溶存化学成分の濃度が高いものが多い。また,pH,温度等に関しても,非常にその幅が広く,適正な濃度を測定することは,化学分析に熟知した研究者でも困難な場合がある。しかし,近年の分析化学の発展により,耐熱性・耐酸性に優れた各種イオン電極や,比較的簡易に化学種の濃度を測定できるパックテスト等が多数開発され,市販されている。そこで,今年度は,現在市販されているそれら簡易測定機器の測定誤差等の検討も含め,簡易かつ適正な濃度を測定することが可能な測定方法の検討を行った。 検討には,ペン型型電気伝導度計およびpHメーター,カード型イオンメーター(NaおよびK),パックテストを定量的に計測することができるデジタルパックテストを用いた。検討の結果,温泉水のような溶存イオンの濃度が高い試料でも,電気伝導計,pHメーターおよびイオンメーターは他の一般的な測定機器(イオンクロマトグラフィーなど)と±10%程度の誤差で測定できることが分かった。一方で,別府市を中心とした大分県の主な温泉地ついて,実際に生徒が調査を行うのに適した温泉水の検討を行った。それぞれ代表的な化学組成(Na-Cl型,H-CO_3型,H-SO_4型等)の温泉について,上記の簡易測定機器を利用して分析を行うのに適しており,なおかつ生徒が安全に試料採取等を行える温泉井の選定は来年度も継続して行う予定である。
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