2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22830073
|
Research Institution | Chiba Keizai University |
Principal Investigator |
染矢 将和 千葉経済大学, 経済学部・経済学科, 准教授 (40589397)
|
Keywords | 発展途上国 / 社会保障 / 財政 / 年金 / 経済成長 / 高齢化 / 動学的一般均衡 / 世代重複モデル |
Research Abstract |
一年目は主に発展途上国の社会保障に関する文献サーベイと動学的一般均衡モデルに関する理解の向上、モデルを走らせるソフトウェアー操作に関する習熟を目的に研究活動を行ってきた。 2010年5月よりアジア経済研究所のプロジェクト「財政とガバナンス」研究会に参加し、研究会での2度の発表を含む活動を通し、財政の視点から発展途上国が直面する社会保障の諸問題について理解を深めた。また、同研究会活動の一環でセルビア共和国に現地調査を行い、労働省や財務省といった政府機関やIMFや世界銀行といった国際機関と面談を実施した。その後、現地調査に計量分析を加え"社会保障とガバナンス:セルビア共和国"としてまとめ、アジア経済研究所から「財政とガバナンス」の第5章として発刊した。 途上国の社会保障システムに関する研究は近年世界銀行やアジア開発銀行により広範囲で行われてきており、それら国際開発機関の研究成果や貸付やプロジェクトを通じた年金制度改革への協力の成果を十分知悉しておくことはモデルの構築・改良において必要と考えられることから、世界銀行が開く発展途上国の社会保障関係者を対象とした年金改革の研修に特別に参加を許され、2週間にわたり、アジアやアフリカの実際の年金制度改革に携わる政府職員と年金制度改革の課題等を学ぶ機会を得た。また、同機会を利用し、世界銀行で使っている年金制度の持続性を検証するために専用モデルPROSTを開発・運用している世界銀行職員と面談を行い、年金制度のモデル化についても理解を深めることができた。 他に、本研究ではモデルを使ったシミュレーションを行うことから、定期的にソフトに関するトレーニングをとり、ソフト及びプログラミングに関する習熟を図ってきた。
|