2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22830075
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
北村 紘 札幌学院大学, 経済学部, 准教授 (30582415)
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Keywords | 排他条件付取引 / 参入阻止 / 競争政策 |
Research Abstract |
排他条件付取引は、上流部門もしくは下流部門の企業が垂直的取引において他の競合他社と取引を行わないよう、契約を行うことを指す。排他条件付取引には、効率的な企業の参入を阻止や、ライバル企業を市場から追い出す競争制限効果が存在すると考えられている。しかし、常に競争制限効果があるとも言えず、投資を促進するためにこうした取引が行われているということも指摘されている。本研究では、排他条件付取引契約が競争制限効果を持つ市場環境について理論分析・実験分析を行った。 理論分析の結果は、以下の通りである。Kitamura(2011)では、既存企業が大きな投資事業を抱えているような状況であると、競争制限的な排他条件付取引が実現しやすいことを示した。この研究より、排他条件付取引が競争制限的であるかどうかを判断するには、川上企業の内部資金の保有量や大きな投資の有無に注目すべきであるという政策的含意が得られた。 また、Arai,Kitamura,and Sato(2011)では、反競争的な排他条件付取引契約の交渉においては、直営店の設置は信頼できる脅しとなり、川下市場で競争が全くない状況であっても、反競争的な排他条件付取引に企業が従事する可能性があることを示した。この研究より、排他条件付取引が競争制限的かどうかを検証する際には、見た目の川下市場の競争状況のみに注目してはいけないという政策的含意が得られた。 さらに、Kitamura,Miyaoka,and Sato(2011)では、排他条件付取引によって関係特殊的投資が促進される効果により、効率的な企業の参入を阻止することが可能になることを示した。この研究により、排他条件付取引の投資促進効果と競争制限効果が補完的な関係にあることが明らかになった。
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Research Products
(8 results)