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2011 Fiscal Year Annual Research Report

貿易政策に対する選好の決定要因分析:有権者・政治家の個票データを用いた実証分析

Research Project

Project/Area Number 22830079
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

久野 新  杏林大学, 総合政策学部, 講師 (80583682)

Keywords応用経済学 / 国際貿易論 / 政治経済学
Research Abstract

本研究では、日本の有権者のマイクロ・データを用いて、自由貿易をめぐり表明される選好が、伝統的な貿易理論から導出される所得分配上の含意と整合的であるか否かを実証的に検証した。
分析の結果、貿易理論が予想するとおり、日本においても非熟練労働者は熟練労働者と比較して、また比較劣位産業従事者は非貿易部門従事者と比較して、それぞれ自由貿易を支持しない傾向が確認された。
日本の有権者は、自らの選好を(本人としては極めて合理的に)決定しているのである。他方、先行研究と同様に、有権者が表明する選好は経済的な要因だけでは説明しきれず、個人属性や非経済的な価値観にも強く依存していることが示された。具体的には、他の要因をコントロールしてもなお、日本の女性は男性と比較して保護主義的なバイアスが強いこと、居住する都道府県に強い愛着を感じている個人、日本の歴史に誇りを感じている個人は保護主義バイアスが強いことが明らかにされた。
このように、貿易政策に対する個人レベルの選好形成メカニズムを解明しておくことは、自由貿易に対して反対を表明している個人や集団が抱いている「懸念や不安の源泉」を特定し、それらを緩和するための効果的な政策を検討するうえで有益な含意を提供してくれる。すなわち我が国が貿易自由化政策を促進する際には、貿易自由化の結果として負の分配効果に直面する主体が合理的な経済人として表明する懸念と、性別や価値観など、その他の非経済的な要因に基づき表明されている懸念とを切り分けたうえで、それぞれに対して異なる対策を講じることの必要性を示している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 自由貿易に対する選好の決定要因-日本国民のマイクロ・データを用いた実証分析-2011

    • Author(s)
      久野新
    • Journal Title

      杏林社会科学研究

      Volume: 27巻3号 Pages: 33-44

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-06-26  

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