2010 Fiscal Year Annual Research Report
抽象レベルでの行動の順序制御における前頭前野の役割
Project/Area Number |
22830086
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
中山 義久 玉川大学, 脳科学研究所, グローバルCOE研究員 (30585906)
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Keywords | 前頭前野 / 運動前野 / 一次運動野 / 到達運動 / 前頭葉 |
Research Abstract |
複数の動作の順序制御を行う過程を検討するため、まず、仮想レベルの動作と、運動レベルの動作を時間的に分離することが可能な課題を作成した。指示刺激として図形(たとえば黄色い丸)がサルの眼前にあるタッチセンサー内蔵のモニターの中央に呈示される。この指示刺激は、後の反応(右または左への到達)を指示するものである。遅延期間の後、2つ目の指示刺激が画面の中央に呈示される。このように、指示刺激が3回連続で呈示された後に、画面に選択刺激が呈示される。選択刺激は2つの四角形より構成されており、右または左への到達がサルには求められる。選択刺激は、画面の水平方向のどこに呈示されるかはランダムであり、この選択刺激が呈示されるまでは画面のどこに到達すればよいのかを決定することはできない(運動レベルの動作を決定できない)。選択刺激の色が灰色から白に変わることで、運動の実行を指示する。選択刺激は合計で3回呈示され、サルは1試行で合計3回の到達運動を行い、正しく運動が行われれば報酬が与えられる。この課題を遂行中のサルの神経細胞活動を記録することにより、仮想レベルの動作の順序制御における脳内のメカニズムを解明することが可能となる。平成22年度は、細胞活動を記録する前段階として、この課題について、2頭のサルに対して新たに訓練を開始した。平成23年度は、課題の正答率が9割を安定的に超えた時点で学習の完了とし、外科的手術の後に、細胞活動の記録を開始する予定である。
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Research Products
(7 results)