2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヴィリー・ブラントの東方政策と冷戦の終焉に関する研究
Project/Area Number |
22830112
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
妹尾 哲志 同志社大学, 政策学部, 講師 (50580776)
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Keywords | 国際政治 / ドイツ外交 / 冷戦史 / 西洋史 |
Research Abstract |
本年度は、申請書に記載した「研究の目的」に沿って、ヴィリー・ブラントの東方政策と冷戦の終焉に関する研究を進めていった。研究成果のまとめとして、東方政策の多層性に迫る著書『戦後西ドイツ外交の分水嶺-東方政策と分断克服の戦略、1963~1975年』を刊行することができた。またとりわけ東方政策とヨーロッパ統合の問題に関しては、共著『複数のヨーロッパ-欧州統合史のフロンティア』のなかで「『全欧』と『西欧』のあいだ-ブラントの東方政策とヨーロッパ統合問題」と題した論考として発表した。8月から9月にかけては、まずドイツのボンやコブレンツの文書館にてブラント政権期の外交政策に関する史料調査を行った後、クロアチアやセルビアで開催された国際セミナーで東方政策と冷戦の終焉に関する研究報告を行う機会を得た。また日本では、10月の国際関係史委員会(CHIR)の研究会と11月の日本国際政治学会2011年度研究大会にて、ブラント政権期における東方政策をめぐる西ドイツとアメリカの関係に関する研究報告を行った。さらに2012年1月の関西政治史研究会では、著書『戦後西ドイツ外交の分水嶺』について紹介する機会をいただき、本書の内容及び東方政策と冷戦の終焉に関して有益なコメントを頂戴できた。そして2月の冷戦史研究に関する国際ワークショップでは、1960年代の西ドイツ外交についての報告に対するコメンテーターを務め、同テーマに関する知見を一層深めることができた。こうした研究成果を踏まえ今後は、戦後の西ドイツ外交におけるブラント政権期の意義をさらに多角的な観点から探るためにも、その前後の時期の外交政策に関する研究を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(9 results)