2011 Fiscal Year Annual Research Report
産業レジティメーションのダイナミクスについてのマルチレベル・アプローチ
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22830126
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
ALCANTARA L.L. 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 助教 (10584021)
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Keywords | legitimacy / competition / innovation / motivation / foreign expansion / business group |
Research Abstract |
当研究は新規ベンチャーの存続と成長を促進するレジティメーションを構築するため、ネットワーク、企業、個人レベルで理論的実証的にレジティマシーのダイナミクスを分析することを主目的とする。まず、改訂した論文を査読付き雑誌Asian Business & Management Journalに発表した。これは成長と存続を分析することによってレジティマシーを構築する手段として日本の製造業における外資系企業が国際的な合弁事業の利益を効果的に強化できるか調査する。次に日本の自動車部品産業における企業の海外直接投資の立地選択に関する論文を執筆した。この中でマルチマーケット競争により会社にとってのレジティマシーが生じる可能性を示した。競合他社が参入していない国に参入できるかもしれない。本論文をThe Academy of International Business-South East USAで発表し、現在二回目の査読を受けている。第三に別の論文を書き終え、企業グループの提携(レジティマシー構築のための信頼できる方法)が日本の自動車部品産業における企業の国際化決定にどう影響するか調査した。これも現在二回目の査読を受けている。当論文では企業はレジティマシーと企業グループ提携で提供される他の資源の恩恵とを受ける可能性を示唆した。しかし現状維持のためにリスクを嫌い、リスクを伴うチャンスを探求することに駆り立てられない。この傾向がグローバル市場における日本の自動車部品産業の長期的な競争力に与える影響は今後の検討する必要がある。第四に今年執筆した別の論文で、起業家の動機が新規ベンチャーのレジティマシーと革新性にどう影響するか調査した。前述の論文の分析は企業やネットワークのレベルで行われているが、当論文は個人レベルで行う。日本の起業家をサンプルとして社会的な動機を持った起業家により設立されたベンチャーはより斬新であること、そしてこれらの事業は外部の資本所有者からではなく顧客や従業員からより高いレジティマシーを享受する、という仮説の裏づけを模索する。本論文は学会で発表し査読付き国際雑誌に投稿する。
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