2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイリンガル・アプローチを用いた聴覚障害教育における教室談話分析
Project/Area Number |
22830129
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Research Institution | Beppu University Junior College |
Principal Investigator |
阿部 敬信 別府大学, 短期大学部, 准教授 (90580613)
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Keywords | 聴覚障害教育 / バイリンガル / 日本手話 |
Research Abstract |
研究第1年次となる平成22年度には,バイリンガル・アプローチを用いている聴覚障害教育における教室談話分析の観点を抽出するために,私立の聴覚障害特別支援学校において予備調査を行った。 教室談話分析のための授業実践のビデオデータを当該学校小学部3・4年の手話科、社会科、理科などの各教科の授業45分×15コマ分収集した。その結果、分析の観点として日本手話の言語的特徴を生かした指導の在り方として、指さし(Pointing)、視線、談話マーカー、CL (Classifier)、RS (Referential Shift)、次に教材の使用として、文字(単語・文・文章)、実物、動画、写真、絵、色別を抽出することができた。今後は、ビデオデータから手話表記法を用いてトランスクリプトを作成し、分析の観点に基づいて、手話言語学の見識のある日本手話母語話者らとともに、日本手話と日本語によるバイリンガル・アプローチにおける教室談話の構造を明らかにして、児童の言語発達や認知発達を、それらがどのように支えているのかを明らかにする。 また、当該学校小学部児童の言語能力及び認知能力の実態把握を行った。児童は日本手話と日本語(主に書き言葉)のバイリンガル児童であることから、まず、言語能力としてMorgan (2006)による方法を実施し、小学部児童20名の「frog, where are you?」(Mayer, 1969)の日本手話語りのビデオデータを収集した。次に、認知能力として、DN-CAS認知発達評価アセスメントを小学部児童22名に実施することができた。今後はこれらのデータを分析して、日本手話の言語発達及び認知発達の実態を明らかにしていく予定である。
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