2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22840017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浜根 大輔 東京大学, 物性研究所, 特任専門職員 (20579073)
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Keywords | チタネイト / ダイアモンドアンビルセル / 放射光X線 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は,4族元素からなるABO_3化合物の高圧相関係から,巨大惑星深部に相当する超高圧環境におけるABO_3シリケイトの存在様式を解明することを目的としている。4族元素からなる酸化物(BO_2)には比較的低圧でも結晶構造を構成する多面体の配位数が増加する相転移が存在することから,B=4族元素からなるABO_3化合物においても低圧での相転移が期待される。本研究では,主要なターゲットをチタネイト(ATiO_3)とし,いくつかのチタネイトでダイアモンドアンビルセルとファイバーレーザー加熱による高圧高温実験を行い,放射光X線回折,透過型電子顕微鏡観察で,その存在様式を調べた。これまでのところ,A=Fe,Mnのチタネイトにおいて,従来の高圧結晶化学の常識を覆す新たな知見を得ることが出来た。チタネイトは高圧でAO+コチュナイト型TiO_2へ分解することが理論予測されてきたが,本研究ではAo+ATi_3O_7やAo+ATi_2O_5となることを見いだした。新たに見いだされたATi_3O_7やATi_2O_5の結晶構造解析にも着手し,これらはこれまで全く知られていなかった新しい構造であることが明らかとなった。また,A=Ca,Mg,Ni,Coとなるチタネイトにおいても高圧高温実験と観察・解析を進めているところである。巨大惑星深部に存在するであろうMgSiO_3は,サブテラパスカルという超高圧環境下でポストペロブスカイト構造からMgOとコチュナイト型SiO_2に分解することが理論予測されているが,本研究課題で得られた成果はそれよりさらに高密度な存在様式が可能であることを明らかにしたことになる。
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Research Products
(2 results)