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2010 Fiscal Year Annual Research Report

量子場と相互作用する量子系のスペクトル解析

Research Project

Project/Area Number 22840022
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

鈴木 章斗  信州大学, 工学部, 助教 (70585611)

Keywords基底状態 / スペクトル解析 / 場の量子論 / フォック空間 / ネルソン模型 / パウリ・フィールツ模型 / 束縛の強化
Research Abstract

今年度は,廣島文生氏とH. Spohn氏との共同研究で得られていた双極近似のパウリ・フィールツ模型(ポテンシャル中を運動する非相対論的粒子と量子されたベクトル場の相互作用系)に対する基底状態の非存在(束縛の強化が起きないということ)に関する先行結果を大幅に拡張することに成功した。先行結果では,相互作用の強さを表す結合定数が十分小さいときにしか基底状態の非存在がいえなかった。一方で,十分結合定数が十分大きいときは,基底状態が存在(束縛の強化が起きるということ)が知られていてる。しかし,結合定数が中間的な領域にあるとき,基底状態はどうなるかということは未解決であった。今回得られた結果は,ある意味でその解答を与えたといってよい。我々の得た結果は,次のようなものである:非相対論的粒子の質量と短距離型ポテンシャルによって定まる定数Kがあって,Kはあるパラメータごとに定まるポテンシャルについて不変で次が成り立つ;任意の正の数εに対して,適当にパラメータ(に対応するポテンシャル)を選べば,(1)結合定数が定数Kより小さいときは,基底状態がなく,(2)K+εより大きいときは,基底状態が存在する。このことから定数Kは,基底状態が非存在になる結合定数のよい評価を与えているといえる。先行結果より良い評価が得られたのは,証明の改良(Feshbach mapの不使用)によるもので,この方法は,今後他の模型を研究するときにも有効であると考えられる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Pauli-Fierz模型の束縛の強化について2010

    • Author(s)
      鈴木章斗
    • Organizer
      日本数学会
    • Place of Presentation
      早稲田大学理工学術院
    • Year and Date
      2010-03-21

URL: 

Published: 2012-07-19  

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