2010 Fiscal Year Annual Research Report
熱圏風の地上・衛星観測データを用いたプラズマバブルの出現機構の解明
Project/Area Number |
22840024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西岡 未知 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 研究機関研究員 (20582589)
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Keywords | 電離圏擾乱 / C/NOFS衛星 / 地上GPS受信機網 / 地震による電離圏変動 |
Research Abstract |
地上GPS受信機網データやC/NOFS衛星データを用いて、電離圏イレギュラリティの特性の解明を行った。電離圏イレギュラリティは、特に赤道域において電離圏シンチレーションを引き起こし、通信・航法に障害を引き起こすため、その出現特性や生成機構を解明することが要請されている。本研究は、このような電離圏イレギュラリティの生成機構を解明する一旦となると考えられる。本年度行った研究内容は以下の二点である。 ・ C/NOFS衛星によって観測される赤道域電離圏擾乱についての研究を行った。地上観測網データを解析することで、電離圏擾乱を引き起こした背景の電子密度分布の様子を推測することができた。その結果、赤道域電離圏擾乱の出現/非出現には、電離圏電場や中性大気のダイナミクス、及び太陽活動度が大きく寄与することが示された。また、低太陽活動度における電離圏の特性も明らかにした。 ・ 南アメリカ大陸に展開される地上GPS受信機を用いて電離圏全電子数を算出し、2010年2月27日に発生したチリ中部地震後の電離圏擾乱の特性を詳細に調べた。その結果、地震後に、(1)2分程度の急激な全電子数の増加(2)10分程度の緩やかな全電子数の増加(3)震源近くのみで見られる10分程度の緩やかな全電子数の減少(4)3-4分周期の全電子数周期変動、の4種類の電離圏擾乱が発生していたことがわかった。これらは、音波や重力波、及び音波共鳴によって引き起こされた電離圏擾乱であると解釈することができた。
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Research Products
(8 results)