2011 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーガンマ線望遠鏡MAGICの高感度化及び宇宙暗黒物質の探索
Project/Area Number |
22840030
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
折戸 玲子 徳島大学, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 助教 (80579417)
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Keywords | 宇宙線 / 高エネルギーガンマ線 / 暗黒物質 / 大気チェレンコフ望遠鏡 |
Research Abstract |
本研究は、カナリー諸島ラパルマ島海抜2200mに位置する高エネルギーガンマ線望遠鏡MAGIC (Major Atmospheric Gamma-ray Imaging Cherenkov Telescope)の高感度化及び、宇宙暗黒物質の探索を目的としている。MAGIC高感度化及び低閾値化については、GasAsP光電面を用いたHybrid Photon Detector (HPD)により現状の焦点面カメラを構成する光電子増倍管を置き換えることにより実現を目指す。平成24年度は、Hamamatsu R9792U-40 HPD 6本によるHPDクラスターモジュールについて望遠鏡上での1年の長期観測ののち実験室にて量子効率について試験を行い、光電面に劣化がみられないことを確認した。モジュールの最終化とカメラに搭載するためのクラスターの量産について、他の望遠鏡アジプグレード予定を考慮しつつ検討中である。暗黒物質探索については、Fermi衛星未同定天体の観測及び近傍矮小楕円体の観測を行う。平成24年度は、前年度観測したFermi衛星未同定天体2天体に加え、さらに1天体の観測を行い、データ解析を完了した。いずれも有意なガンマ線信号は得られなかったため、ガンマ線上限値をつけた。近傍楕矮小円体銀河について、前年度に引き続き観測し、データ解析を行った。有意なガンマ信号は観測されていないため、各種理論モデルを考慮し、暗黒物質対消滅断面積について上限値の計算を行っている。
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