2011 Fiscal Year Annual Research Report
トロイダルプラズマにおける帯状流の大域構造を考慮した輸送モデルに関する研究
Project/Area Number |
22840034
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 真 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (70575919)
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Keywords | 乱流輸送 / 帯状流 / 振動帯状流 / 非線形競合 / H mode / 平均流 |
Research Abstract |
本研究では、静的帯状流(ZF)と振動帯状流(GAM)を同時に考慮した場合の大域的乱流輸送を理論的に明らかにすることを目指している。平成23年度は、GAMとZFの高次非線形競合過程まで取り入れたモデルをもとに新しい定常状態を理論的に指摘した。さらに、プラズマ境界を、帯状流乱流輸送理論に適用することを目指し、研究の第一段階の結果を得た。以下にそれぞれを説明する。 (1)GAMとZFの高次非線形競合過程:乱流、GAM、ZFの結合方程式に高次非線形競合項を導入し、詳細に解の性質を調べた。GAMによるZFの駆動項が小さい場合、定常状態は乱流のみ、乱流とZF、乱流とGAMの3種類の解を持ち、各状態の安定性は、減衰率、駆動力で与えられる。GAMのZF駆動力が大きくなる場合、乱流とGAM、ZFが共存する定常解も安定になりうることを理論的に指摘した。ここで、GAMのZF駆動力は乱流スペクトルに強く依存し、乱流の伝播が径方向非対称な場合より大きくなることを明らかにした。乱流-帯状流系の乱流輸送を包括する理論モデルとなっている。 (2)上記モデルにプラズマ境界の効果を導入し、さらなる発展を試みた。GAMはプラズマの境界の外には分散関係が存在しないためプラズマ境界で反射するが、ZFは周波数ゼロのため、境界で反射されない。この効果を、結合方程式にキデル的に導入した。GAM成分は境界でゼロ、零周波数の波(平均流、ZF)の境界での合計値は境界の外の流れで規定されるとした。この場合、ZFと平均流が結合することになり、ZFによって平均流が駆動される効果が現れ、実現する平均流は反磁性ドリフト速度程度の大きさを持ちうることがわかった。研究の第一段階としての結果を得ることができた。この効果は強い平均流によって実現するH modeの形成機構の1つの候補と考えられ、さらなる研究を要する重要な課題である。
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Research Products
(10 results)