2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22840043
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
浦川 優子 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (80580555)
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Keywords | インフレーション / 宇宙背景輻射 / 非線形摂動 / ゲージ不変摂動論 / 赤外発散 / 非ガウス性 / 構造形成 / 修正重力理論 |
Research Abstract |
インフレーションは、ビッグバン宇宙論では説明できない宇宙の構浩の起源を説明することが可能な非常に優れたシナリオであるが、その現実的モデルに関しては、不確かさや不定性が多く残されている。そこで重要となるのか、インフレーション期に生成されたゆらぎを、精密観測を通じで観測的に明らかにすることである。観測される揺らぎと各モデルにおいて理論的に予言される揺らぎの比較を行う上で、ゲージ不変摂動論に基づいて揺らぎの計算を行うことが不可欠であろ。しかし、とりわけ非線形摂動論においてはゲージ不変性の実現は容易ではない。我々は、従来の摂動論に基づいた計算では、非物理的な自由度であるゲーシ自由度の影響が残っていることを示した。特に宇宙背景輻射の観測において重要となる大スケールの揺らぎには、実際には勧測されることのない非物理的な自由度が、大きな影響を与えていたことがわかった。また我々は、こうした非物理的な自由度の影響を受けないグージ不変な非線形揺らきの計算を行う方法を提案した。 近年、Horavaによって提唱されたHorava-Lifshitz(HL)重力理論は、繰り込み可能な量子重力理論となり得るのではないかと期待され、盛んに研究されている。HL重力理論においては、スカラー型摂動が、ゴーストまたはタキオンモードとなることが知られているが、この問題はオリジナルのHL重力理論を一部修正することにより回避可能であることが、Blasらによって指摘された。我々は修正されたHL重力理論において宇宙論的摂動に於ける基礎方程式を導き、曲率ゆらぎ及び密度ゆらぎの進化について調べた。また、このモデルに対する観測的制限を議論した。
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Research Products
(8 results)