2011 Fiscal Year Annual Research Report
微小重力環境における試験質量の全自由度非接触制御法の開発
Project/Area Number |
22840048
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
阿久津 智忠 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (40564274)
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Keywords | 重力波 / 超精密計測 / 微小重力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、将来の宇宙用重力波検出器にむけた要素技術開発の一環として、試験質量の自由度を微小重力環境下で制御することである。地上で微小重力環境を構築し、必要な実験を行うための手段はいくつかあるが、本研究をふくめてこの先に最終的に目指すのは、落下棟などでの自由落下実験を行ううえで必要な、試験筐体レベルのものの開発である。 今年度は、非接触センサ(静電容量型センサ)、非接触アクチュエータ(静電アクチュエータ)の多自由度化をはかるべく、まずは地上にて、ねじれ振り子を応用した微小重力環壌模擬装置を構築した。試験筐体を自由落下させると、最悪の場合破損のおそれがあり、何度も実験はできないが、このような地上装置であれば、その危険は極めて低い。そのかわり、この装置では全自由度ではなく限られた自由度について微小重力環境を模擬することになる。開発した模擬装置では、2自由度ぶん(試験質量の1方向の並進、および、1方向の回転)について、振り子としての共振周波数はそれぞれ約0.03Hzに抑えられており、この周波数以上ではほぼ微小重力環境を模擬できているとみなせた。最終的に使用予定の周波数帯は0.1Hz付近なので、この模擬装置にて、2自由度だけではあるが、微小重力環境再現の目的は達成できている。こうして、本装置を用いて、多自由度信号の効率的な取得法の開発や、それら複数の信号の分離方法の開発を行った。そして、最終的に、1つの試験質量について、その2自由度ともを同時に制御できることが確かめられた。また、実際に自由落下試験筐体、ひいては宇宙機に組み込む際に問題となるであろう、試験質量の初期位置の調整をはじめとする課題などを洗い出した。
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Research Products
(1 results)