2010 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞上の内在性受容体膜蛋白質への選択的合成プローブ導入技術の開発と応用
Project/Area Number |
22850006
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
築地 真也 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任准教授 (40359659)
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Keywords | 蛋白質 / 化学修飾 / アフィニティラベル化 / トシル化学 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
現代の蛋白質科学では、生きた細胞や生体複雑系における蛋白質の機能・動態・相互作用をin situで解析することが大きな課題となっている。このような研究において不可欠となるのが「蛋白質の選択的標識技術」である。現在、蛍光蛋白質を対象蛋白質に融合して用いるアプローチが主流となっているが、この手法では、あくまでも細胞内に人工的に発現させた改変型蛋白質を観察しており、細胞内にもともと存在する真の対象蛋白質を見ているわけではない。細胞内在性の蛋白質のin situ機能解析に使用可能な蛋白質標識法は、今なお確立されていない。本研究では、研究代表者が最近開発した「リガンド指向型トシル(LDT)化学」をもとに、この未開拓領域に挑戦する。LDT化学は、細胞内に内在する標的蛋白質を選択的かっ部位特異的に、そして機能を損なうことなく化学修飾することのできる現在唯一の手法である。本研究では、GPCRのブラジキニンB2受容体(B2R)とGPIアンカー型蛋白質の葉酸受容体(FR)を標的蛋白質として定め、生細胞上のこれらの内在性受容体膜蛋白質の蛍光修飾およびその局在動態のリアルタイムイメージングに取り組む。本年度はまず、両蛋白質に対する選択的LDTラベル化剤の合成から着手した。B2Rに対してはアンタゴニストペプチドを、FRに対しては葉酸をリガンドとし、これらとビオチンプローブをトシル基(フェニルスルホン酸エステル)によって連結したラベル化剤を合成した。更に、得られたラベル化剤を用い、PC12およびKB細胞上の内在性B2RおよびFRのラベル化を検討した。これまでに、B2Rのラベル化は上手くいっていないが、FRについては低収率ながらもラベル化が進行していることが確認された。今後、ラベル化剤の分子構造(特にスペーサー長)の最適化を行い、蛍光修飾とイメージング実験へと進む予定である。
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Research Products
(14 results)