2011 Fiscal Year Annual Research Report
多段階酸化還元系を利用した有機エレクトロクロミズム系の構築
Project/Area Number |
22850007
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
庄子 卓 信州大学, 理学部, 助教 (60581014)
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Keywords | π電子系化合物 / アズレン / エレクトロクロミズム / サイクリックボルタンメトリー / 環化付加反応 / フェロセン |
Research Abstract |
有機エレクトロクロミズム系分子の構築を目指し、アントラキノジメタンおよびフルオレン骨格を酸化還元的に活性な部分構造とし、さらに酸化還元活性なπ電子系置換基としてエチニルフェロセンを複数個配置した新規なエンジインシステムを、エチニルフェロセンと対応するジブロモエチレンとのパラジウム触媒を用いたアルキニル化反応によりワンポットで合成することに成功した。またエンジインのアセチレン部位とテトラシアノエチレンとの反応を検討したところ、[2+2]環化付加が進行しテトラシアノブタジエンへ変換することに成功した。生成したエンジインおよびテトラシアノブタジエンは電気化学的酸化還元反応により顕著な色調の変化を示し、エレキトロクロミズム分子として機能することを明らかにした(Eur.J.Org.Chem., 2011, 5134-5140)。アリールエチニル基の置換した2H-シクロヘプタ[b]フラン-2-オンと2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンとの[2+2]環化付加反応によって、新規なベンゾキノン縮環型シクロブテンが生成することを明らかにした(Heterocycles, 2011, 83, 2271-2274)。またアリールエチニル基の置換した2H-シクロヘプタ[b]フラン-2-オンとテトラシアノキノジメタンとの形式的[2+2]環化付加反応を経て、新規なジシアノキノジメタン(DCNQ)誘導体を合成した。これらの化合物がUV/Visスペクトルならびに時間依存密度汎関数法(TD-DFT)による計算によって分子内電荷移動吸収(ICT)を示すことを明らかにした。さらにサイクリックボルタンメトリー(CV)測定において、分子内のDCNQの数に比例した電子数の移動を伴う可逆な還元波を示した。また、これらの化合物のエレクトロクロミズム挙動を検討した結果、電気化学的還元条件下で顕著な色調の変化を示すことを明らかにした(Org.Biomol.Chem., 2012, 10, 2431-2438)。
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Research Products
(13 results)