2010 Fiscal Year Annual Research Report
共役高分子のシングルファイバーを前駆体とする炭素ナノ繊維の創成と異方導電性の解明
Project/Area Number |
22850009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松下 哲士 京都大学, 工学研究科, 研究員 (90589186)
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Keywords | 液晶 / 共役高分子 / ナノファイバー / 導電性 / 炭素化 |
Research Abstract |
本研究では、(1)ネマチック液晶(N-LC)を異方性反応場として合成した巨視的配向ポリアセチレン(PA)薄膜を前駆体とし、その超音波処理により、PAシングルナノファイバーを調製する。(2)調製したPAナノファイバーの形態保持炭素化により、その形状と形態をそのまま保持した、絡み合いのないグラファイトナノファイバーの創成を目指す。また、生成したグラファイトファイバーの異方導電性の発現を試みる。平成22年度においては、以下の研究項目を実施した。1.巨視的配向PA薄膜の合成:チーグラー・ナッタ触媒に対して安定なフェニルシクロヘキシル(PCH)系液晶であるPCH302とPCH304の等モル混合液晶をN-LCとし、そこへ触媒を加え、異方性反応場を構築した。液晶流動落下法により、PAのフィブリルが一様に重力方向と平行に配向した、巨視的配向PA薄膜を合成した。2.PAシングルナノファイバーの調製:合成した巨視的配向PA薄膜の小片を適当な有機溶媒に浸け、数時間超音波を照射し、溶媒中で一様に分散させた。その電子顕微鏡観察により、アスペクト比の高いシングルナノファイバーの形成を確認した。3.PAシングルファイバーの形態保持炭素化:調製したシングルナノファイバーをヨウ素蒸気にさらすことで化学ドーピングを施した。ドーピング処理後のPAファイバーをるつぼに入れ、電気炉を用いて不活性ガス雰囲気下800度で熱処理した。得られた炭素粉末の電子顕微鏡観察により、半径が100nm以下、長さが20μm以上のカーボンシングルナノファイバーの形成を確認した。
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Research Products
(22 results)