2011 Fiscal Year Annual Research Report
グリコシルアジドの一段階水中合成を基盤とする簡便な複合糖質合成法の開拓
Project/Area Number |
22850010
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 知成 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (70585695)
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Keywords | 糖鎖高分子 / オリゴ糖 / クリックケミストリー / 無保護 / 脱水縮合剤 |
Research Abstract |
糖鎖高分子などの複合糖質の化学合成は、これまで極めて多く報告されているが、糖に多数存在するヒドロキシ基の保護・脱保護の工程が不可欠なため、単糖や二糖など、比較的低分子量の糖類を対象に行われてきたが、高分子量のオリゴ糖鎖に対しては、効率的に適用できる方法がほとんどなく、非常に困難であった。本研究では、糖に多数存在するヒドロキシ基の保護が不要、かつ単糖から高分子量のオリゴ糖鎖にまで適用可能で簡便な、複合糖質の合成法を開発した。 水溶性脱水縮合剤2-chloro-1,3-dimethylimidazolinium chloride (DMC)を用いて糖のヒドロキシ基を保護することなく水中で一段階合成したグリコシルアジドを、銅(I)触媒によるクリック反応によってアセチレン基を有する高分子担体へと高収率で導入した。本クリック反応では、親水性のグリコシルアジドと末端にアセチレン基を導入した疎水性高分子であるポリ乳酸との間での反応について、溶媒の種類や組成、銅(I)触媒のリガンド添加などを検討することにより、単糖から七糖までの様々な鎖長の糖、および様々な分子量のポリ乳酸において、効率的な糖の導入を達成した。得られた糖修飾ポリ乳酸は、片末端に多数の親水性基(ヒドロキシ基)を有する疎水性ポリマーであることから、各種有機溶媒中でヒドロキシ基同士の相互作用により会合体を形成することが明らかとなった。本合成法を応用することにより、高分子へ様々な糖鎖を導入でき、多様な糖鎖高分子を簡便に合成することが可能となる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Crystal structures of glycoside hydrolase family 51 α-L-arabinofuranosid ase from Thermotoga maritima2012
Author(s)
D.-H.Im, K.Kimura, F.Hayasaka, T.Tanaka, M.Noguchi, A.Kobayashi, S.Shoda, K.Miyazaki, T.Wakagi, S.Fushinobu
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Journal Title
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
Volume: 76
Pages: 423-428
DOI
Peer Reviewed
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