2010 Fiscal Year Annual Research Report
イミダゾリウム塩骨格を利用したマイクロ波活性触媒の開発研究
Project/Area Number |
22850016
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小口 真一 東海大学, 理学部, 講師 (90580499)
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Keywords | イミダゾリウム塩 / マイクロ波 |
Research Abstract |
本研究はマイクロ波を照射することにより活性化される触媒を設計、合成しその新規触媒を利用した新たな物質生産系を構築することを目的として研究を進めた。 今期はマイクロ波照射により効率的な加熱が期待されるイミダゾリウム塩について研究を行った。具体的には常温で液体状態を示すイミダゾリウム塩(イオン液体)にマイクロ波を照射し、その加熱効率を検討した。その結果イミダゾリウム塩(イオン液体)は短時間で高温域まで加熱することが明らかとなった。次にイオン液体とマイクロ波を用いた有機反応の検討を行った。今回は有機反応の中でも最も重要な反応の一つである脱水縮合反応に注目した。基質であるアミンとカルボン酸を種々のイオン液体中、マイクロ波を照射し脱水縮合反応を行ったところ一般的なイオン液体ではイオン液体が分解し反応の進行が阻害されたが、ある特定のイオン液体を用いると短時間、高収率で目的物質であるアミド化合物が得られることが明らかとなった。そこでより高活性な反応系を構築する目的でこのイオン液体に脱水縮合反応の触媒の一つであるボロン酸を結合した新規触媒の合成を現在行っている。 またこれまでの研究でマイクロ波がイミダゾリウム塩を効率的に加熱することが明らかとなったため様々な有機反応に利用可能な塩基触媒とイミダゾリウム塩及びマイクロ波を用いた反応系の開発も行っている。塩基触媒の一つであるDABCO(1, 4-ジアザビシクロ[2. 2. 2]オクタン)とイミダゾリウム塩にマイクロ波を照射することにより効率よく加熱することが明らかとなったため現在、イミダゾリウム塩にDABCO分子を結合させた新たな触媒を合成中である。
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