2011 Fiscal Year Annual Research Report
イミダゾリウム塩骨格を利用したマイクロ波活性触媒の開発研究
Project/Area Number |
22850016
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小口 真一 東海大学, 理学部, 講師 (90580499)
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Keywords | イミダゾリウム塩 / マイクロ波 |
Research Abstract |
本研究はマイクロ波を用いた高活性な触媒分子を構築することを研究の目的とした。昨期はマイクロ波照射により効率的な加熱が期待されるイミダゾリウム塩について研究を行った。常温で液体状態を示すイミダゾリウム塩(イオン液体)にマイクロ波を照射し、その加熱効率を検討した結果イミダゾリウム塩(イオン液体)は短時間で高温域まで加熱することが明らかとなった。次にイオン液体とマイクロ波を用いた有機反応の検討を行った。検討を行った反応は有機反応の中でも最も重要な反応の一つである脱水縮合反応である。アミド化反応は種々報告されているが近年ボロン酸を触媒に用いたカルボン酸とアミドのアミド化反応が報告されている。そこでボロン酸を触媒とした基質であるアミンとカルボン酸を種々のイオン液体中、マイクロ波を照射し脱水縮合反応を行ったところ一般的なイオン液体ではイオン液体が分解し反応の進行が阻害されたが、ある特定のイオン液体を用いると短時間、高収率で目的物質であるアミド化合物が得られることが明らかとなった。そこで今期はより高活性な反応系を構築する目的でこのイオン液体に脱水縮合反応の触媒の一つであるボロン酸を結合した新規触媒の合成を行った。またラジカル触媒の一つであるTEMPO触媒をイミダゾリウム塩骨格に担持した新規触媒も同時に合成を開始した。ラジカル触媒はTEMPO分子に代表される安定ラジカルを有する触媒を用い主に酸化反応を効率よく進行させるものである。そこでこれら触媒をイミダゾリウム塩等の四級塩化合物と共有結合させることによりマイクロ波を効率よく熱エネルギーに変換でき且つ触媒活性の向上が図れるものと考え合成を行った。新規、イミダゾリウム塩担持ボロン酸触媒の合成は目標通り達成できそれを使ったアミド化反応の検討も行った。その結果目的とするアミド化反応は効率よく進行しまた触媒の再利用も可能であった。またイミダゾリウム塩担持TEMPO触媒の合成は測定機器の不具合もあり現在のところ合成途中である。
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