2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ナノパターニングした半導体量子ドットにおけるナノ光学物性の解明
Project/Area Number |
22850017
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
渡邉 智 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (80579839)
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Keywords | 混合LB膜 / 半導体ナノ粒子 / 自己組織化 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では、混合LB膜から作製した2次元テンプレートを利用して、自己組織化過程を利用した半導体量子ドットのナノパターニングを行い、作製した素子の光メモリ効果を明らかにすることを目的としている。 昨年度の研究成果から、混合LB膜中にナノメートルスケールの相分離構造を有するテンプレートを作製することができたので、本年度において半導体量子ドットを2次元テンプレート上へ固定し、形状や光物性評価を主に行った。 (a)半導体量子ドットの固定とパターン形状の制御 化合物半導体CdSとコアシェル型の化合物半導体CdSe/ZnSのナノ粒子を合成し、紫外可視吸収スペクトルと蛍光スペクトルを用いて、粒子径および発光特性を明らかにした。固体基板上へ固定するために表面修飾をした半導体ナノ粒子を浸漬法によりテンプレート上へ固定した。原子間力顕微鏡観察をしたところ、1層の半導体ナノ粒子がパターンを形成していることがわかった。作製条件を調節することで、パターン中の半導体ナノ粒子の密度を制御できることもわかった。また、ナノワイヤー構造を有するテンプレートを作製し、半導体ナノ粒子を固定したところ、半導体ナノ粒子のナノワイヤーが作製可能なことが示唆された。 (b)半導体量子ドットパターンの光学物性評価 テンプレート上へ固定した半導体ナノ粒子パターンの蛍光顕微鏡観察を行ったところ、半導体ナノ粒子パターンが選択的に可視の発光をしていることがわかった。これにより、作製したサンプルは発光素子やセンサーとして機能することがわかった。 以上の本年度における結果から、マイクロおよびナノメートルスケールの相分離構造を有する混合LB膜から作製した2次元テンプレートを用いて、半導体ナノ粒子パターンを作製することに成功した。自己組織化過程のみで半導体ナノ粒子をナノパターニングすることでき、発光素子やセンサーを低コスト、低エネルギーで作製することができる。
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