2010 Fiscal Year Annual Research Report
膜分離活性汚泥法における膜閉塞発生機構の解明に向けた膜閉塞成分の特性解析
Project/Area Number |
22860001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三好 太郎 北海道大学, 環境ナノ・バイオ工学研究センター, 博士研究員 (80587791)
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Keywords | 膜分離活性汚泥法 / 膜閉塞 / プロテオーム解析 / レクチンアフィニティークロマトグラフィー |
Research Abstract |
膜閉塞に関与しているタンパク質の構造解析については、プロテオーム解析の第一段階に相当するタンパク質の分離に、タンパク質を等電点と分子量の2つの特性に基づいて分離することができる2D-PAGEを適用したことによって、膜閉塞成分中に含まれるタンパク質の分離能が飛躍的に向上した。その結果、後段のエドマン分解法を用いたN末端アミノ酸配列解析に供することができるタンパク質の種類も、タンパク質の分離にSDS-PAGE(タンパク質を分離量のみに基づいて分離)を適用していた昨年度までの検討と比較して大幅に増加した。本年度の検討では、運転条件の異なる2台のパイロットスケールMBRにおいて膜閉塞を引き起こしていたタンパク質の分析を実施したところ、N末端アミノ酸配列解析に供することができたタンパク質(合計で32種類)のうち、3種類のタンパク質を同定することに成功した。これらはいずれもバレルタンパク質と呼ばれるグラム陰性細菌の外膜タンパク質であり、これらのタンパク質及びこれらのタンパク質と特性が類似しているタンパク質が、運転条件の際にかかわらず膜閉塞に寄与している可能性を推定した。糖の解析については、レクチンカラム内に捕捉されていた成分の構造解析を実施した。レクチンと結合していた成分を、塩酸を用いて溶出させ、温和な条件下において部分加水分解を実施することでマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析計(MALDI TOF-MS)を用いたマススペクトル分析が可能となることを見出した。
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