2010 Fiscal Year Annual Research Report
RF負イオン源を用いた低仕事関数金属表面近傍での水素負イオンの特性評価
Project/Area Number |
22860009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 のぞみ 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60581296)
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Keywords | プラズマ加熱 / 水素負イオン源 / RF負イオン源 |
Research Abstract |
本年度は水素負イオン源の開発、計測系の構築、動作特性の計測、CRDS計測の準備を進めた。まず、プローブ計測を行い、ドライバ部へ外部磁場を印加することで、~10^<18>m^<-3>の電子密度の達成を確認した。また、拡散部に永久磁石によるフィルター磁場を形成することで、水素負イオン生成に必要な引き出し電極付近の電子温度の減少が見られた。また、YAGレーザーを用いたレーザー光脱離計測システムを構築し、引き出し電極近傍における水素負イオン密度と電子密度の比の計測を可能にした。拡散部にセシウムオーブンを取り付け、定常的にセシウム(Cs)添加をした運転を可能にした。また、イオン源からのH-ビームの引き出しを可能にし、引き出し電極電流、加速電極電流及びファラデーカップによる引き出しビーム電流の計測を行った。上記の計測方法を用いて、拡散部引き出し領域における負イオン密度と電子密度の計測を行い、負イオン生成に対するセシウム添加時の動作ガス圧力、フィルター磁場の効果を確認した。Cs添加をすることで、ITERにおいて要求される動作ガス圧である0.3Pa以下での運転が可能になった。また、Cs添加時に光脱離計測により引き出し領域のH-密度/電子密度を計測した結果、1%程度であることが分かった。引き出し電極の温度が180度付近から引き出し電流の急激な増加が見られた。H-密度、引き出し電流共に、Cs添加によって2倍以上のH-の増加が見られたことよりセシウム効果が確認された。また、CRDS計測で必要となる複数の計測法によるプラズマ計測に向けてプローブ計測、光脱離計測、分光法によるCsラインのモニタ、CRDS計測が同時に可能となる拡散部チャンバーを用意した。このチャンバー内に高反射ミラーを取り付け、レーザー系を構築することで、CRDS計測を可能にした。
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