2011 Fiscal Year Annual Research Report
RF負イオン源を用いた低仕事関数金属表面近傍での水素負イオンの特性評価
Project/Area Number |
22860009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 のぞみ 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60581296)
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Keywords | プラズマ加熱 / 水素負イオン源 / RF負イオン源 / 負イオン密度計測 / Cavity-Ring-Down法 |
Research Abstract |
本年度は構築したCRD(Cavity-Ring-Down)システムの計測性能の評価、システムを用いて高周波負イオン源内引き出し電極近傍における水素負イオン密度絶対値の計測を行った。CRD計測では正対した二枚の超高反射率ミラー(>99.999%)間をレーザー(1064mm)を多重反射させ、レーザー光出射側の光量の減衰時間を、真空中とプラズマ中で比較する事で負イオン密度の絶対値を測定する。測定では真空中で300μs程度の減衰時間を確保することができ、また減衰時間のエラーを1μs以下に抑えることに成功し、水素負イオン密度にして最小で10^<15>m^<-3>台の計測を可能にした。イオン源の基本パラメータに関して水素負イオンのイオン源動作特性を評価した。電極近傍の負イオン密度と電子密度は投入パワーの増加に伴い増加する傾向を示したが、負イオン/電子密度比は一定であったことから、投入パワーに応じてプラズマ密度が増加することにより負イオン密度が増加することが明らかになった。閉じ込め磁場を増加すると共に負イオン密度は急激に増加した。これによりプラズマ閉じ込めの改善により、負イオン及び電子密度が急激に増加するという特性が明らかとなった。0.4-1.1Paの範囲では動作ガス圧が低い程負イオン密度及び密度比は高い値を示した。プラズマ生成部の電子温度が低いガス圧で高い値を示す特性より、ガス圧の低い所では、負イオンの元となる水素の振動励起分子が増加し、また電極近傍では中性粒子との衝突による負イオンの解離が抑制されることを示唆した。
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