2011 Fiscal Year Annual Research Report
低温プラズマを利用した活性化学種生成による着火制御
Project/Area Number |
22860013
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
窪山 達也 千葉大学, 大学院・工学研究科, 特任助教 (80578831)
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Keywords | 内燃機関 / 着火 / 点火 / 低温プフズマ |
Research Abstract |
熱効率の向上、環境負荷の低減のため、超希薄予混合燃焼や、混合気を高度に希釈化した上で過給を併用する高効率燃焼技術などが提案されている.しかし,点火,着火の不安定化による燃焼変動が,混合気の希薄化や希釈化を制限しているのが現状である.また,近年では燃料の多様化が進んでおり,着火特性の大きく異なるバイオマス燃料やガス燃料など様々な燃料に対応できる点火システムが求められている. 本研究では,低温プラズマによる着火促進に着目し,希薄燃焼,希釈燃焼および様々な燃料に対して,確実な着火が実現出来る着火制御技術の開発を目指す.具体的には,繰り返し極短パルス低温プラズマを利用した点火システムによる化学的な着火促進効果に関して基礎的な検討を行い,低温プラズマにより生成される活性化学種を同定するとともに,低温プラズマ放電パターンが生成化学種に与える影響を明らかにし、特定化学種の選択的生成による着火制御の実現性を検証している. 本年度は,前年度までに構築した計測システムを用いて,放電パターンと雰囲気条件が初期火炎の生成過程に与える影響を調べた.定容燃焼容器,拡大光学系と高速度カメラ2台を用い,放電の直接写真と火炎核のシュリーレン画像の同時撮影を行った.得られた直接写真から放電輝度を求め、シュリーレン画像より火炎核の成長速度を定量化し,放電パターンとエネルギーが火炎核成長に与える影響を調べた.この結果,短いパルスで高い電流値で放電とすることで火炎核生成速度が高まることなどがわかった.また,低温プラズマ放電点火を単気筒試験エンジンに適用し,放電パターンが希薄燃焼時の燃焼安定性に与える影響を調べた.燃料には市販のガソリン,天然ガスを用いた.この結果,希薄運転時に,短パルス低温プラズマ放電を適用することで,より低い投入エネルギーでも,通常の点火システムと同等以上の燃焼安定性が得られる事などがわかった.
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Research Products
(1 results)