2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ熱流体中の界面輸送現象解明に向けた分子イメージング法の開発
Project/Area Number |
22860015
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一柳 満久 東京大学, インテリジェント・モデリング・ラボラトリー, 特任研究員 (00584252)
|
Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロ流路 / 電気二重層 / 界面現象 / 気液二相流 / 可視化計測 / エバネッセント波 / 分子タギング法 |
Research Abstract |
マイクロ流路内の固液・気液界面近傍に形成されるイオンや流体挙動を明らかにすることを目的として,固液界面極近傍ナノスケール速度計測法および気液二相流の非定常高速可視化技術を開発した。固液界面の速度計測法は,分子タギング法およびエバネッセント波照明観察を併用することで実現された.分子タギング法とはかご化蛍光染料やフォトクロミック色素などの光誘起反応を有する特殊な染料を用いた手法であり,紫外光を照射した領域のみ蛍光発光性を取り戻す性質を持っている.また,エバネッセント波照明観察とは,光の全反射により流路壁面から100nm程度溶液側に染み出す光(エバネッセント波)を励起光として用いた観察方法であり,先の分子タギング法と組み合わせることで流路壁面極近傍のナノスケール空間の染料のみを可視化することが可能となった.本手法を用いることで,固液界面近傍のイオン挙動,バルクの流動特性および拡散係数を定量的に評価した.次年度は,固液界面のイオン層,即ち,電気二重層の形成がバルク流動に与える影響を明らかにすることを目的とし,液相のイオン濃度およびpH値を変化させて実験を行う.一方,気液二相流の非定常高速可視化技術では,計測システムの構築および蛍光観察と明視野観察の比較を行った.蛍光観察には,深さ方向分解能が高いという利点はあるものの,気相が撮像できなかったり,蛍光像取得のために時間分解能が低下したりという問題が残された.それに対し明視野観察には,深さ方向分解能の低下という問題は残るものの,気相挙動および液相内の粒子挙動を同時に取得でき,高速度撮影も可能という大きな利点があるため,本研究では明視野観察による計測システムを構築した。次年度は,本手法を用いて気泡生成過程における気相の特徴的な時間スケールの抽出および液相速度分布より気相分裂をもたらす力の因果関係を実験的に明らかにしていく.
|
Research Products
(17 results)