2011 Fiscal Year Annual Research Report
汚濁物質の沈降・堆積特性及び重金属の毒性ポテンシャルを考慮した運河の効用評価
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22860018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 啓輔 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任研究員 (60584399)
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Keywords | 低質汚染 / 沈降粒子 / 堆積粒子 / 重金属 / 形態評価 / 逐次抽出法 |
Research Abstract |
東京湾奥部における底質調査 運河地帯と東京湾湾部、お台場における底質中重金属含有量(表層)を比較すると、重金属の種類により異なる傾向を示した。CuやZn、Sb、Pbについては運河地帯の方が高い含有量を示した。一方、MnやFeについては東京湾湾部、お台場の方が高い含有量を示した。その他の重金属(Ti、v、Cr、Co、Ni、Sr)については、有意な差は見られなかった。有機物の指標である強熱減量運について比較すると運河地帯の方が高い値を示した。運河地帯の底質が東京湾湾部に比べて悪化が進んでいることが示唆された。 東京湾奥部における汚濁物質の沈降・堆積特性評価 CrおよびCu、Zn、Pbについては、運河地帯と東京湾湾部の境界の1点において特異的に高い重金属含有量をしめした。強熱減量と重金属含有量を比較したところ、有機物が高い地点で重金属含有量も高いといった関係は見られなかった。 重金属毒性に関する運河の効用評価 鉛同位体比の測定は行うことが出来なかったためどの程度運河地帯に沈降・堆積しているのか評価出来なかった。重金属の存在形態を逐次抽出法を用いて評価かしたところ、CuとZnについて硫化物態+有機態の画分が運河地帯の方が東京湾湾部・お台場より高い傾向が見られたが、他の重金属については重金属の存在形態に有意な差は見られなかった。元素分析の結果では、運河地帯の方が硫黄(S)の含有率が高く、硫化物態+有機態の重金属が優越すると想定されたが、顕著な重金属の存在形態の違いは見られず、運河地帯において重金属の毒性ポテンシャルが低減していることは示せれなかった。しかしながら、運河地帯の方が底質の中央粒径が大きいことから、運河地帯において粒子が堆積しやすく、湾部への流出を低減している可能性が考えられる。
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Research Products
(1 results)