2011 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の筋細胞を用いた耐環境自律駆動型マイクロロボット制御法の開発
Project/Area Number |
22860020
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
秋山 佳丈 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学府, 特任助教 (80585878)
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Keywords | マイクロロボット / 昆虫 / バイオアクチュエータ |
Research Abstract |
本申請研究では、耐環境自律駆動型マイクロロボットの創成に向けて、外部刺激に対する昆虫の心臓である背脈管組織の応答を定量的に評価し、その結果を元に背脈管組織の収縮制御を行う。本年度は,筋組織の動きをオプティカルフローとして数値化し、この値に基づき制御を試みた。また、背脈管の収縮により一方向に移動するマイクロロボットを作製し、電気パルス刺激に対する応答を評価した。まず、背脈管が培養液中で自律的に拍動している様子を撮影し、これをオフラインでLucas-kanade法によりオプティカルフローとし、背脈管の拍動がベクトルデータとして表されていることを確認した。次に、オプティカルフローに基づきフィードバック刺激を与えるため、顕微鏡、CCDカメラ、制御用PC、電磁刺激装置を組み合わせたシステムを構築し、制御を試みた。プログラムは、指定されたエリアのベクトルデータの平均値を求め、その結果を元にフィードバックを行う。本研突では、平均オプティカルフローの長さが閾値を超えたら、電気刺激を行う(正のフィードバック)、閾値以上になったら電気刺激を停止する(負のフィードバック)2通りの実験を行った。その結果、正のフィードバックにおいては、背脈管の拍動は停止し、負のフィードバックにおいては、一定の拍動を続けた。正のフィードバックプログラムにおいては、背脈管が収縮中に電気刺激を与えることを意図しており、それによって背脈管組織が強縮したのではないかと考えられる。一方、負のフィードバックプログラムにおいては、背脈管が停止中に刺激することを意図しており、このプログラムにより一定の拍動を維持できることが示された。また、昨年作製したマイクロロボットに電気刺激を行い、1から10Hzまでの各周波数の電気刺激を行い、マイクロロボットの移動が制御できることを示した。
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Research Products
(5 results)