2010 Fiscal Year Annual Research Report
GPUクラウドによるHCCIエンジン内乱流燃焼のDNS
Project/Area Number |
22860021
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福島 直哉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特任助教 (80585240)
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Keywords | 乱流燃焼 / 直接数値計算 / HCCIエンジン / GPUクラウド / 超並列計算 / 予混合火炎 / エネルギー効率化 / 環境技術 |
Research Abstract |
本研究では,詳細化学反応機構と熱物性値・輸送係数の温度依存性を考慮した乱流燃焼の直接数値計算(DNS)のGPUクラウド(GPGPUを搭載したグリッド型スーパーコンピュータ)に最適化したプログラムを開発するとともに,移動境界壁を有する実用燃焼器へ適用可能な計算スキームを構築し,HCCIエンジン内の不均一燃料濃度及び不均一温度分布を有する自着火・火炎伝播機構のDNSを行い,圧縮・膨張過程を伴う乱流燃焼機構や壁面と火炎の干渉機構を解明することを目的としている.平成22年度は,GPUクラウドへの最適化による乱流燃焼の直接数値計算の高速化と移動境界壁を境界条件に適用可能とする計算スキームの開発に加えて,不均一燃料濃度及び不均一温度分布を有する予混合気の自着火・火炎伝播機構の解明に重点を置いて研究を進めた.CPUによるグリッド・コンピュータに最適化された乱流燃焼のDNSプログラムを,GPUクラウドへ最適化した.移動境界壁を境界条件に適用可能とするため,境界適合座標系における高精度空間離散化や高精度フィルターなどの計算スキームを構築した,開発したプログラムを用い,詳細化学反応機構と物性値・輸送係数の温度依存性を考慮に入れたDNSを行い,乱流中での予混合気の自着火・火炎伝播機構や壁面と火炎の干渉による消炎機構や壁面熱損失の有無による未燃物や反応中間生成物等の滞留時間などを明らかにした,メタン・空気の均一予混合気に対して,二次元一様等方性乱流中での自着火・火炎伝播に関するDNSを行い,乱流燃焼速度に対する乱流強度,乱流スケール,当量比及び圧力の影響を明らかにした.さらに,温度変動もしくは当量比変動を有するメタン・空気の予混合気に対して,同様な自着火・火炎伝播に関するDNSを行い,局所火炎構造と乱流燃焼速度に対する乱流強度,乱流スケール,変動強度とそのスケール及び圧力の影響を明らかにした.
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