2010 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン量子ワイヤを用いた次世代太陽電池材料の開発
Project/Area Number |
22860022
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒川 康良 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (00588527)
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Keywords | 太陽電池 / 量子効果 / バンドギャップ制御 / シリコンナノワイヤ / 光閉じ込め / エッチング / 第三世代 / ナノ構造 |
Research Abstract |
本年度は、無電解メッキ法及びMetal Assisted Etching法により、シリコンナノワイヤアレイの作製を行った。無電解メッキ法では、硝酸銀+フッ酸溶液中にシリコン基板を浸し、銀ドットを析出させた。硝酸銀濃度0.01M以上にて、銀粒子が何層にも積み重なるように析出し、非析出部の形状がシリコンナノワイヤに適したものとなった。これをフッ酸+過酸化水素水に浸し、銀によるシリコンのエッチング効果により、シリコンナノワイヤの形成を行った。走査型電子顕微鏡による構造評価の結果、直径30~150nmのシリコンナノワイヤアレイが基板全面に形成されていることを確認した。また、エッチング時間によりワイヤ長を480nm~14μmまで幅広く制御することに成功した。光学測定の結果、ワイヤ長1.4μm以上の長さで700nm以下の波長域で反射率3%以下、ワイヤ長7.5μmでは900nm以下の波長域で反射率1%以下と非常に高い光閉じ込め効果を有していることを確認した。これは平坦なシリコン基板では数100μmの膜厚が必要であるところをわずか数四の長さで太陽光を十分吸収できることを示している。ワイヤ径をさらに小さくするため、酸化及びフッ酸溶液による酸化膜エッチングを行った。その結果、ワイヤ径を小さくすることには成功したが、表面張力によるワイヤ先端の凝集が問題となった。そこで、フッ酸溶液の代わりに蒸気フッ酸を用いることにより、酸化膜の除去を行ったところワイヤ先端の凝集を抑制することに成功した。
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