2011 Fiscal Year Annual Research Report
グラウンドワーク型まちづくり組織の成立条件に関する研究
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22860029
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松下 重雄 金沢大学, 地域連携推進センター, 准教授 (00579188)
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Keywords | まちづくり / NPO / 社会的企業 / グラウンドワーク / 地域再生 |
Research Abstract |
本研究は、英国発祥の地域住民・企業・行政のパートナーシップによって地域再生を図るまちづくりのしくみ・組織であるグラウンドワークの我が国での展開方向について、日英のグラウンドワークの比較をとおして考察したものである。 英国のグラウンドワークは1980年代初頭の設立以来、政府の政策に柔軟に対応し、まちづくりに総合的・全体的に取り組むしくみを構築してきた。とくに英国グラウンドワークの設立当初からの基本戦略でもあるが、誰も取り組んでいない社会課題である「隙間のマーケット」に果敢に挑戦する能力の高さや、地域コミュニティの抱える課題や資源活用へのホリスティックな対応を目指した事業の開発や社会的企業の設立は、日本のまちづくりNPOに大いに参考になるものである。 これら英国グラウンドワークの活動を見据え、今後、日本のグラウンドワークが発展するためには、組織特性的な観点からは、(1)パートナーシップによる運営体制の構築、(2)組織仕様の標準化、(3)フランチャイズ的手法によるネットワーク運営、(4)パートナーシップ政策の導入を目指した組織活動が必要であり、事業特性的な観点からは、(5)社会再生を目指した段階的な事業内容、(6)協働を広げる中間支援型の事業手法、(7)事業調整力の高いスタッフ雇用と資金源多角化の事業体制、(8)総合的・包括的取り組みを意識した事業戦略が必要であることが明らかとなった。 グラウンドワーク活動団体をはじめ日本のまちづくりNPOにとっては総合的・包括的な取り組みが今後期待されるところであるが、その具体的な構築方策に関する検討は、今後の研究課題としたい。
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Research Products
(3 results)