2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22860030
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川原 知洋 名古屋大学, 工学研究科, COE特任助教 (20575162)
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Keywords | マイクロマシン / 微生物 / 計測工学 / 生物・生体工学 |
Research Abstract |
本研究では,オンチップで単一微生物に対してマイクロツールを用いて機械的・電気的刺激を加え,その時の微生物の挙動を計測することで電気的・機械的インピーダンス特性を測定することを目的としている.具体的には,単細胞性の藻類である珪藻を対象とし,バイオチップ内において磁気で非接触に駆動可能なマイクロツールを用いて珪藻を押しつけることで,その時の印加力に対する挙動の因果関係を定量的に評価すること目指す.本年度は以下の3点について研究を行った. 1. オンチップツール作製:マイクロツールの先端に力計測機構を新たに配置するため,構造モデルを用いた解析を行い,設計パラメータの最適域を求めた.また,その結果に基づいてフォトリソグラフィを用いて,ポリマー(SU-8)を用いて分解能100μNを有する力計測機能付きマイクロツール開発に成功した.さらに,このツールを内包するバイオチップについても作製した. 2. 計測制御システム構築:従来,マイクロツールは永久磁石を手動操作で動かすことで駆動していたためツールの精密位置決めは難しかった.そこでコンピュータによって,先端にネオジム磁石を取り付けたリニアステージを動作させてマイクロツールを非接触駆動し,1μmオーダーで精密位置決めを行うシステムを新たに開発した. 3. 珪藻への応用:力計測を行うために事前に力をキャリブレーションするための実験を行い,発生力の評価を行った.また,最終的に実際に珪藻を押し付ける実験を行い,マイクロツールで珪藻の押しつけに成功するとともに,印加力の履歴を世界で初めてオンチップ計測することに成功した.
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