2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタアトム装荷光伝導アンテナからのテラヘルツ波放射
Project/Area Number |
22860033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高野 恵介 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 特任研究員 (70583102)
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Keywords | メタマテリアル / テラヘルツ電磁波 / 光伝導アンテナ / 超微細インクジェット工法 / テラヘルツ時間領域分光法 |
Research Abstract |
インクジェット工法を用いて,標準的な光伝導アンテナの電極に用いられているダイポール型の電極に,分割リング共振器を装荷した電極構造を半絶縁ガリウム砒素基板上に作製し,テラヘルツ波放射特性を測定した.テラヘルツ波の放射スペクトルは,装荷する分割リング共振器の大きさと形状に依存して変化した.この変化が装荷した分割リング共振器の固有モードの周波数変化によることを,計算機シミュレーションで明らかにした.この結果は当初の予想通り,種々の分割リング共振器装荷によってテラヘルツ波用光伝導アンテナの特性を設計できることを示すものである 次に,装荷する分割リング共振器のダイポール型電極に対する相対位置を変化させ,放射スペクトルを測定した.レーザー励起によってダイポール型電極中心に発生した電気双極子が,本来励振できない対称性を持つ分割リング共振器の固有モードを,相対位置変化による対称性の低下によって励振し,放射スペクトルに分割リング共振器の固有モードに対応するピークが観測された.また,放射テラヘルツ波の偏光状態は,電極の対称性に依存するが,対称性の低い分割リング装荷アンテナでは,放射テラヘルツ波が,電極の対称性を反映して楕円偏光になっていることを観測した 以上の結果から,小型共振器装荷によって,テラヘルツ波放射デバイス設計可能であることを示した.また今年度の結果は,光学的電気的に分割リング共振器の特性を変調すれば,放射特性をコントロール可能であることを示しており,来年度は光励起で放射強度,スペクトルおよび偏光の変調を試みる予定である.本研究ではインクジェット工法で簡便にテラヘルツ波デバイスを作製するためのノウハウを蓄積しており,新しいテラヘルツデバイスへの展開が期待できる
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Research Products
(3 results)