2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22860046
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田原 祐助 九州大学, システム情報科学研究院, 学術研究員 (80585927)
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Keywords | 計測工学 / 脂質膜 / 分子認識 / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
本研究は,ストレスマーカーとして注目されている唾液ステロイドホルモン等のバイオマーカー分析に用いる脂質膜センサの開発を目的としている.そこで,客観的かつ簡便なストレス測定法の実現を目指し,バイオマーカー分析に用いる脂質高分子膜組成の基礎的検討を行った.脂質高分子膜にはプラスの電荷を有する脂質膜とマイナスの電荷を有する脂質膜があり,脂質膜電極を浸すサンプル中の電荷の移動によって膜電位が変化する 脂質高分子膜は,有機溶剤を用いて,脂質,可塑剤,支持剤(樹脂)を溶解し,乾燥することでシート状に成型した.脂質膜センサは,孔を設けた塩化ビニル製ハウジングに,銀/塩化銀電極,3.3M KC1飽和塩化銀溶液を封入し,作成した脂質高分子膜を孔部分(溶液接触面)に貼付することで作製した.バイオマーカーを含む溶液中に脂質膜センサと参照電極を浸し,電気化学アナライザで膜電位測定を行った.最初にセンサを基準液で2回,それぞれ120秒ずつ洗浄した.次に基準液に30秒浸漬させ基準液に対する電位を測定した.このときの電位をVrとする.基準液に対する応答が安定した後に測定サンプルに30秒浸漬させサンプルの電位を測定する.このときのサンプルの電位をVsとする.基準液は人間の唾液に相当するため,基準液の電位からの電位変化(Vr-Vs)を応答電位とした.様々な脂質種,可塑剤を用いて検討した結果,脂質高分子膜中に,プラス荷電の脂質,かつ疎水性の高い脂質を含有することで高い応答電位を示すことが明らかとなった
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