2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波/ミリ波レーダによる複数移動体の検知・識別技術
Project/Area Number |
22860049
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松波 勲 長崎大学, 工学部, 助教 (70583219)
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Keywords | 超広帯域無線 / 車載レーダ / クラッタ / パルス積分 / ハフ変換 |
Research Abstract |
天候などに全く影響を受けないマイクロ波やミリ波レーダが注目されているが画像のように物体を識別することが困難であり,マイクロ波/ミリ波による物体検知・識別技術を確立することが望まれている.そこで本課題では広帯域又は超広帯域レーダにおいて,周辺車両,障害物,歩行者など複数の移動体を検知・識別するマイクロ波/ミリ波レーダによる物体検知・識別技術を開発することを目的とする.初年度となる平成22年度は,主に以下の項目において技術開発及び検討を行った. (1)クラッタ抑圧技術 北九州市立大学梶原昭博教授が所有するベクトルネットワークアナライザを用いて様々な路上環境のクラッタデータを取得し,従来のクラッタ抑圧法であるパルス積分では抑圧できないような目標信号よりも電力の大きなクラッタが存在することを確認した.そこで,レンジビン毎のクラッタと目標信号の閾値以上となる生起確率からウェイトをかけてパルス積分を行う荷重パルス積分法を提案し,少ないパルス積分回数で効果的にクラッタを抑圧できる手法を開発した. (2)複数目標及びクラッタの位置推定技術 相対速度が異なる複数目標車両を検出するにはクラッタとの分離・識別が難しい.そこで送信パルス毎のレンジプロファイルについて,目標とクラッタの相対距離の軌跡の直線性に着目し,ハフ変換による直線検出を行うことで多目標検出を行う位置推定法を開発した.ハフ変換ではクラッタを多く含む不完全な情報から,座標変換を行うことで相対距離の軌跡の検出が可能であるという特徴を持つ.これにより軌跡直線の傾き情報から相対速度を算出することで複数目標とクラッタの分離・識別を可能とし,相対速度が異なる複数目標車両検知を実現した.
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