2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロジニアスハプティックネットワークにおける遠隔空間共有技術の研究
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22860055
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
久保 亮吾 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (00582199)
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Keywords | ハプティクス / 遠隔操作 / マルチロボットシステム / 力覚通信 / 通信遅延 / ネットワークロボティクス |
Research Abstract |
ハプティクスは人間の触覚に関する研究全般を扱った学問領域であり、特に、ハプティック通信は遠隔地に触覚情報を伝送するための基盤技術として幅広い応用が期待されている。しかしながら、既往技術は医療用ロボットや宇宙ロボットなどの特定用途への適用を前提としており、通信環境や端末構造が単一ではないヘテロジニアス環境にはそのまま適用することができない。ヘテロジニアス環境におけるハプティック通信ではヘテロジニアス性を吸収する制御構造やネットワーク構造が必要となる。ヘテロジニアス環境におけるハプティック通信技術の確立を目指し、本年度においては以下のような研究成果を得た。1.ヘテロジニアス環境におけるハプティック通信を計算機上で模擬するためのシミュレーション環境の構築および理論計算を行い、ネットワーク区間の通信品質がハプティック通信の操作性に与える影響を解析した。2.2台のハプティック通信端末を用いたバイラテラル制御技術の基礎実験を行った。3.ネットワークを介した制御において大きな問題となる通信遅延の影響を定量的に評価するための指標として、1対1のハプティック通信システムであるバイラテラル遠隔操作システムだけではなく多対多のハプティック通信システムであるマルチラテラル遠隔操作システムにおいても有効な評価指標を提案した。以上のように、本年度はハプティック通信を行う際に許容される通信品質を明確化するために、通信品質と制御性能の関係をシミュレーション等により定量的に示し、さらに評価指標の提案を行った。次年度には、提案した評価指標を用いてネットワーク構造の動的な変化に対応可能な制御器の設計手法について検討を進める予定である。
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