2011 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ最適化手法を用いた微分代数方程式の最適モデリング
Project/Area Number |
22860057
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
高松 瑞代 中央大学, 理工学部, 助教 (70580059)
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Keywords | 混合解析 / 微分代数方程式 / 指数 / 回路シミュレーション / 組合せ的行列理論 |
Research Abstract |
本研究課題は,回路シミュレーションにおいて「数値計算の観点からみてもっとも解きやすい微分代数方程式」を自動的に導出する手法の確立を目指している.現在もっとも主流な回路解析法である修正節点解析は,回路シミュレータSPICEに導入されている一方で,数値計算の観点からみると最適な解析法ではないことが知られている.そこで,申請者は伝統的な解析法である混合解析に着目し,混合解析から導出される微分代数方程式(混合方程式)を対象として研究を行ってきた.微分代数方程式の数値的難しさの指標として,指数が定義されている.昨年度までの研究では,混合方程式の指数が0および1となる回路の構造的特徴付けを与え,この構造的特徴づけに基づく指数最小化法を提案した.本成果は,数値計算の分野における国際的な学術雑誌であるMathematics of Computationに今年度掲載された. 今年度の研究では,上記の成果をさらに発展させ,混合方程式の指数が2以下となる回路の構造的特徴付けを与えた.一般に,従属電源を含む回路は指数が大きくなることが知られているが,本研究により,多くの回路が指数2以下になることが明らかになった.さらに,修正節点解析を適用すると指数3になることで知られている回路が,混合解析を用いると指数2になることを示した.本研究の成果を,昨年度までに得られた指数0と1に対する構造的特徴付けと組み合わせることにより,混合方程式の指数が0/1/2/3以上のいずれになるかを高速に判定することができ,回路設計の際に高い指数を避けることができる.回路や数値解析の分野に現れる問題に対して組合せ最適化手法を用いている点が本研究の特徴である.
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Research Products
(7 results)