2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22860059
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長谷川 真也 東海大学, 工学部, 助教 (30580500)
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Keywords | 熱音響現象 / 排熱利用 / 熱音響冷凍機 / 熱電変換 / リニア発電機 |
Research Abstract |
熱音響機関を用いて太陽光エネルギや工場廃熱を高効率で再動力化することを目的とした研究が活発に行われている.しかしながら実用化に向けた課題も存在する.工場廃熱の大部分は100℃~300℃程度であるが,熱音響機関の駆動温度は一般に300℃~500℃程度と高温である.またループ構造を有する熱音響機関には定常的質量流が生じ入力熱量が運び去られるために,実効率はカルノー効率の20%にも満たない場合が多い.この問題を解決する方法の一つとして直管型多段増幅熱音響機関を提案している.直管型にはループ構造が存在しない為に循環質量流の発生が少なく,高い熱効率が期待できる.また多段増幅型とすることで低温発振を実現可能である.しかし直管型ではインピーダンス分布の頂点が急峻であるために高効率を実現するために必須条件となる局所的進行波位置に蓄熱器を設置することは難しい.よって数値計算にてインピーダンス分布を正確に予想し,高効率を実現する蓄熱器の設置位置を特定する必要がある.本研究では温度勾配を考慮し長波長近似を用いたナビエストークスの式と連続の式に断面平均並びに対角化を行った後,境界条件を与えることで解析的に臨界発振条件とその際の発振状態のインピーダンス分布を求めた.さらに線形化したエネルギ方程式を用いることで熱効率を計算した.実験結果と解析結果には良好な一致が確認出来,理論の妥当性が確認出来た.計算にて低温発振・高効率を実現する構成を定めることによって,加熱器温度270℃で局所的進行波位置に設置したエンジンの効率は理論計算上ではあるが比カルノー効率90%を超えることが出来た.
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