2011 Fiscal Year Annual Research Report
2足歩行ロボットを利用した脆弱路面におけるヒト歩行戦略の解明
Project/Area Number |
22860061
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
橋本 健二 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (10449340)
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Keywords | ロボティクス / ヒューマノイド / 2足歩行ロボット / 脆弱路面 / 人体計測 |
Research Abstract |
本研究課題では,ヒトの脆弱路面での歩行運動を計測・解析し,その解析結果を2足ヒューマノイド・ロボットに実装することで検証し,脆弱路面におけるヒト歩行戦略の解明を目指す.平成22年度の人体計測結果を受け,平成23年度は以下の3点について研究を推進した. (1)歩行パターンの改良 脆弱路面では,立脚が路面に沈み込むため遊脚が路面と接触する危険性が高まる.これに対して,ヒトは足の垂直な上げ下ろしと足上げ高さの増加により路面とのクリアランスを増加させていることが前年度に行った歩行解析で示唆された.そこで,歩行パターン作成時に足先軌道を垂直に上げ下ろしながら最大で足上げ高さが50mmに達するように設定した.ヒトの足上げ高さは実際は50mmよりも大きいが,これ以上ロボットの足上げ高さを高くすると下肢関節の角速度の上限を超えてしまうため,ロボットの足上げ高さを50mmとした. (2)重心位置補償制御の開発 歩行解析結果より,脆弱路面ではヒトは重心位置を安定化させるような歩行戦略を取っていることが分かっている.そこで,ロボットを倒立振子,脆弱路面を並列のばね要素としてモデル化し,重心の角度偏差をロボットに搭載された姿勢角センサから取得し,それを足関節を回転させることで重心位置を安定化する.これは単立脚期に行い,両立脚期には足部で発生する床反力を目標値に収束させるようにロボットの両脚長を制御することで重心位置の安定化を図る. (3)2足ヒューマノイド・ロボットでの評価実験 以上のヒト歩行戦略を等身大の2足ヒューマノイド・ロボットに実装し評価実験を行った.その結果,ウレタンスポンジ上での前進歩行を実現し,提案手法の有効性が確認できた. 以上のように,本研究では脆弱路面でのヒト歩行戦略をモデル化し,2足ヒューマノイド・ロボットでの歩行実験を通してその有効性を確認した.
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Research Products
(4 results)