2010 Fiscal Year Annual Research Report
トンネル掘削時脚部補強パイル工の地盤沈下抑制メカニズムの解明とその設計基準の提案
Project/Area Number |
22860065
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
崔 瑛 名城大学, 理工学部, 助教 (60583797)
|
Keywords | トンネル掘削 / 脚部補強パイル / 未固結地山 / 小土被り / 地山改良 |
Research Abstract |
本研究の目的は,NATMを用いて未固結地山に小土被りトンネルを掘削する際に,地盤沈下対策として使用された脚部補強パイルIの有効性とそのメカニズムの解明し,弾塑性理論に基づいた設計方法を提案することである。H22年度は主に,パイルを水平方向に設置するサイドパイル工を対象に,実際のトンネル掘削過程を模擬する数値解析を行った。 具体的には,地山改良工法との併用の有無の両パターンに対し,パイルの長さ,設置位置などが地盤およびトンネルの沈下に及ぼす影響について検討した。その結果,サイドパイル工の効果はトンネル掘削により生じるすべり線の位置に大きく関連することが分かった。地山改良の有無にかかわらず,サイドパイルは覆工からすべり線までの距離より長くなると,せん断補強効果および荷重再配分効果を発揮し,地盤およびトンネルの沈下を抑制することができる。また,パイルが長くなるほどその効果は大きくなり,一定の長さに達するとその効果は頭打ちになる結果が得られた。 設置位置に対する検討結果では,サイドパイル工の設置による地盤とトンネルの沈下抑制効果のほとんどは,上半掘削時に設置するパイルにより得られることが分かった。すなわち,下半に設置するサイドパイルはほとんど効果を発揮せず,設置する必要がないと判断できる。これは,トンネル掘削により発生する沈下の大部分が上半掘削時に発生するためであると考えられる。 また,地山改良工と併用する場合と比べ,単独に使用するほうがより大きい地盤沈下抑制効果が得られることが分かった。これは,地山改良工を併用しない場合,非常に大きい地盤とトンネルの沈下が発生するため,相対的に効果が大きくなったような結果になったと考えられる。
|
Research Products
(2 results)