2010 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブな換気促進装置を有する住宅の自然換気設計法に関する研究
Project/Area Number |
22860067
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小林 知広 立命館大学, 理工学部, 講師 (90580952)
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Keywords | 風力換気 / 周辺建物 / 換気量計算 / 風圧係数 / 換気特性 / 風洞実験 / CFD解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は機械設備に依存しないパッシブな換気促進装置を有する建物を設計する際に、当該建物のみならず隣棟配置や植栽配置等の周辺状況を考慮して風力換気量を予測することと、換気量のみならず室内の居住域で実際に形成される空気環境まで考慮することができる戸建住宅の換気設計方法の確立を最終目的としている。 平成22年度においては、交付申請書の研究実施計画に記した下記3点に関して研究を実施した。 (1) 風洞実験による各種条件下での建物の風圧係数データベースの作成:住宅に設置するパッシブな換気促進装置として越屋根とチムニーを取り上げ、周辺建物の配置密度・植栽配置の有無と疎密・外部風向・換気促進装置の形状等をパラメータとして当該建物模型の風圧係数を測定する風洞実験を行った。 (2) CFD解析の正解値となる気流性状の測定:平成23年度に実施する予定の気流の数値解析(CFD解析)の精度検証用データとしての風速データ真値を測定した。風速データは乱流統計量までを解析する必要があるため、応答性の高い熱線風速計を用いて測定を行い、平均風速・乱流強度に加え、乱れの長さスケール等の算出も行ったが、データが不十分であるため平成23年度の研究においてもデータ取得を引き続き行う。 (3) 換気促進装置の風力換気特性を組み込んだ換気計算:換気量の計算方法が確立されていない複雑な抵抗を有する換気促進装置である越屋根に関して、実用的な精度と簡便性を有する換気計算方法の提案を行った。具体的には、既往の研究で得られている越屋根特有の換気特性(室内圧と換気量の関係)を用いて一般開口の圧力損失の式と組み合わせ、一般開口の風圧係数を境界条件として与えて収束計算を行う事で換気量計算を行った。本項目の今後の課題として、多数室換気における計算ツールの展開と、CFDを用いた越屋根内部での詳細な気流解析が考えられる。
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Research Products
(9 results)