2011 Fiscal Year Annual Research Report
ピロリ菌由来アミノアシルtRNA間接合成経路の構造基盤
Project/Area Number |
22870001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 彰良 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 博士研究員 (10583891)
|
Keywords | アミノアシルtRNA合成酵素 / tRNA / X線結晶構造 |
Research Abstract |
今年度も昨年度に引き続きピロリ菌由来アミノアシルtRNA間接合成経路に存在するトランスアミドソームの構造解析に向け,主に結晶化を行った.しかし,現在まで高純度のピロリ菌由来Asn-トランスアミドソームの調製系は確立できたが,未だ結晶化には成功していない.そこで,本研究ではピロリ菌由来トランスアミドソームの結晶化に加え,構成成分であるGatCAB,AspRS,GluRS,および各tRNA複合体の結晶化にも取り組み,トランスアミドソーム形成から解離までの各段階を構造解析により可視化することを試みた。ピロリ菌由来GatCAB,AspRS,GluRSをそれぞれ高純度に精製し,各々結晶化スクリーニングを行ったところ,AspRSとGluRSで初期結晶を得ることに成功した.その後,結晶化条件を最適化することにより,AspRSとGluRSともに現在6A分解能の結晶の作成に成功している.また,ピロリ菌由来tRNA(Asn)およびtRNA(Gln)も大量調製し,GatCAB,AspRS,GluRSとともに共結晶化に取り組んでいる. また,ピロリ菌由来AspRSと同様にGADを持ち,かつAsn-トランスアミドソームを形成することが明らかになっている緑膿菌由来Asn-トランスアミドソームもターゲットにし,GADドメインの機能解明に向け構造解析を試みた.緑膿菌由来GatCAB,AspRS,tRNA(Asn)はピロリ菌由来のものとほぼ同様の方法により高純度に調製することに成功した.また,調製したサンプルを用いてAsn-トランスアミドソームの形成実験を行い,トランスアミドソームの形成を確認することに成功した.以上の結果はSapporo Symposium on Advanced Protein Crystallographyにて口頭およびポスターで発表した.
|