2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速原子間力顕微鏡によるミオシン6の運動メカニズムの解明
Project/Area Number |
22870011
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古寺 哲幸 金沢大学, バイオAFM先端研究センター, 准教授 (30584635)
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Keywords | ミオシン / アクチン / モータータンパク質 / 一分子計測・操作 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
アクチンフィラメントに沿って運動するミオシン6を、高い時間空間分解能を持った高速原子間力顕微鏡で観察することで、その運動メカニズムを解明することを目的に研究を行った。昨年度までに、運動中のミオシン6は大小のステップサイズで前進運動ならびに稀に後進運動を起こすことが直接観察され、そのときの運動様は、ハンドオーバーハンド様とインチワーム様が混在していることが明らかとなっている。また、(1)2つのモーター部を大きく広げた構造形態をとることで大きなステップ運動をすること、(2)2つのモーター部が隣り合うアクチンのサブユニット上に寄り添うような形で結合し、この構造形態でアクチンフィラメント上に滞在する時間が長いことが明らかとなった。この構造形態は、細胞内の特定の構造を保持するためのアンカーとして働くミオシン6の機能を説明するものであると考える。当該年度の1つ目の課題は、(1)の構造形態をとったときに、ミオシン6の脚のどの部分が広がっているかを明らかにすることであった。この研究課題について、世界で2つのモデルが提唱され論争中であり、ミオシン6の運動メカニズムの根本を担うため重要度が高い。これまでのAFM観察からは、どちらのモデルも成立していることがサポートされている。この結果は、機能中の生体分子の構造形態変化を直接観察することができる高速AFMならではのものである。また、当該年度の2つ目の課題は、ミオシン6のヌクレオチド依存的な構造形態やそのダイナミクスを観察することであった。これに関しては、1つめの重要な課題に集中しなければならなかったため、研究が進んでいない。しかしながら、ATPで運動中のモータードメインに注目すると前足のコンバーター部位の構造がアクチンフィラメントの相互作用時間に応じて変化していることが観察されている。したがって、この課題の実施した場合に得られる結果を推測することができた。
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Research Products
(24 results)
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[Presentation] Direct visualization of intrinsically disordered proteins PQBP-1, MeCP2, and FliK using high-speed atomic force microscopy2011
Author(s)
T.Mori, N.Kodera, S.Mizuno, S.Aizawa, M.Mizuguchi, H.Szerlong, M.Porter-Goff, J.C.Hansen, T.Ando
Organizer
第49回日本生物物理学会年会
Place of Presentation
兵庫県立大学,姫路
Year and Date
20110916-20110918
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