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2011 Fiscal Year Annual Research Report

世代を超えて保存される染色体構造変化の分子解析

Research Project

Project/Area Number 22870038
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

吉田 圭介  独立行政法人理化学研究所, 石井分子遺伝学研究室, 基礎科学特別研究員 (80587452)

KeywordsATF-7 / マクロファージ / 自然免疫
Research Abstract

本年度は、次世代への染色体構造変化の継承に関係すると考えられている転写因子ATF-7の分子機能について、マクロファージを中心に解析を行った。腹腔マクロファージのChIP-chip解析により同定したATF-7の結合領域4,217ヶ所から、マクロファージ機能に関わる代表的な自然免疫関連遺伝子のプロモーター領域に存在するATF-7の結合領域を抽出し、これらを解析した。
ATF-7 KOマウス由来のマクロファージでは、これら遺伝子の転写量が亢進していたため、ATF-7が結合するプロモーター領域のエピジェネティック状態を解析したところ、(遺伝子活性の抑制制御を司る)ピストンH3K9ジメチル化レベルがKOマウスでは減少していることを見出した。実際に、ATF-7がヒストンH3K9ジメチル化酵素G9aと物理的相互作用を持つことを、共免疫沈降法及びATF-7リコンビナントタンパク質のGSTアッセイにより確認した。
また脳組織では、社会精神ストレスによりp38 MAPKが活性化されると、ATF-7がリン酸化され、染色体上に結合するATF-7が解離することが知られている。同様の現象が、免疫ストレスでも確認されるのではないかと考え、強力なp38の活性化因子であるLPS(リポ多糖)でマクロファージを処理し、ATF-7の染色体結合量を調べた。その結果、LPSで刺激した腹腔マクロファージでは、PBSで処理したものと比較して、LPS濃度依存的にATF-7の結合量が減少し、最大で約30%にまで減少していた。また、この時のH3K9ジメチル化レベルを観察してみると、刺激後では約半分にまで減少していた。
以上の結果から、ATF-7はマクロファージにおいて、自然免疫遺伝子の抑制因子として働くと同時に、刺激後における免疫遺伝子の活性を制御していることが分かった。同様の現象がマウス個体内でも起こっていれば、ATF-7の染色体上からの解離が自然免疫遺伝子の恒常的な活性化を導くため、慢性炎症や衛生仮説(幼少時の免疫ストレスが、大人になってからの免疫活性に影響を与える)などの現象にATF-7が関与しているのかもしれない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ATF-7は炎症の抑制因子として機能する2011

    • Author(s)
      吉田圭介
    • Organizer
      第34回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • Year and Date
      2011-12-14

URL: 

Published: 2013-06-26  

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