2010 Fiscal Year Annual Research Report
ABCA1による高密度リポタンパク質(HDL)の形成機構の研究
Project/Area Number |
22880016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長尾 耕治郎 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 研究員 (40587325)
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Keywords | ABCA1 / cholesterol / HDL |
Research Abstract |
ABCA1は脂質受容体のapoA-Iに結合し、結合したapoA-Iに細胞の脂質を受け渡すことで、善玉コレステロールとして知られるHDLを作り出す。ABCA1はATPの加水分解を駆動力として機能するが、ATP加水分解のエネルギーをどのように利用するか不明であった。NaN_3と2-deoxyglucoseによりATP合成を阻害すると、ABCA1発現細胞への蛍光標識したapoA-Iの結合が抑制された。この結果より、apoA-Iとの結合にABCA1のATP加水分解活性が必要であることが示された。そこで、ATP加水分解に依存した構造変化により、ABCA1の細胞外領域にapoA-I結合部位が形成されるという仮説を立てた。ABCA1の細胞外領域の9か所にHAタグを挿入し、抗HA抗体によるHAタグの認識が変化するかを調べることにより、ABCA1の構造変化を検出することにした。作成した9個の変異体の内、6個は野生型と同様に細胞膜に発現し、apoA-Iとの結合活性を保持していた。機能的に発現した6個の変異体の内、443番目のアルギニン残基の直後に挿入したHAタグの認識は細胞内ATPをNaN_3と2-deoxyglucoseにより枯渇させると低下した。この結果より、ABCA1の細胞外領域の構造がATPに依存して変化することが示された。
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Research Products
(3 results)