2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本産ショウロ「子実体過剰形成株」の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
22880017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉津 弘佑 京都大学, 農学研究科, 研究員 (20579263)
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Keywords | ショウロ / 菌根 / 子実体 / 担子菌 / アグロバクテリウム法 / エノキタケ / 遺伝子組換え |
Research Abstract |
マツタケやショウロをはじめとする菌根菌類は,一般的に人口栽培が極めてむずかしく,菌根共生無しには,子実体形成ができないのではないかと考えられている。本研究では,培地上でも子実体を形成する特殊な日本産ショウロの菌株に着目した。日本産ショウロの子実体過剰形成株Rr6f株は,寒天培地上で子実体を形成し,担子胞子の分離が可能であった。担子胞子分離株は,野生株と形態に大きな差異が認められるものと,認められないものに分かれる傾向が見られた。初年度は,まず,形態に大きな差異の認められない子孫株同士の交配試験および子実体形成試験を試みた。その結果,交配により生じたと考えられるクランプは認められたものの,子実体形成は一切認められなかった。以上のことから,子実体過剰形成の形質は,野生株と生育に差異が認められる担子胞子に遺伝しているものと示唆された。 また、本年度は,ショウロに対する遺伝子導入系の開発も試みた。遺伝子導入系のポジティブコントロールとしては,腐生性のエノキタケを用いた。手法は菌類の遺伝子組換えに一般的に用いられるプロトプラストPEG法およびアグロバクテリウム法を用いた。エノキタケについては,両手法でハイグロマイシン耐性遺伝子の導入に成功したが,ショウロでは変異株は得られなかった。本年度は,ハイグロマイシン耐性遺伝子のプロモータとして担子菌類Cryptococcus neoformansのActin遺伝子のプロモータを用いたが,これを日本産ショウロのネイティブなプロモータに差し替える必要があると考えられた。
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