2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22880021
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川崎 健 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (00510299)
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Keywords | 分子生物学 / 植物病原菌 / 青枯病菌 / ファージ |
Research Abstract |
本年度は、青枯病菌ゲノム上に溶原化している繊維状ファージ配列の決定、比較を行い、相同性組換えによるこの配列の除去を試みた。さらに、この溶原化配列のファージとしての機能の有無についての解析と宿主認識タンパク質(P3)の置換による宿主特異性への影響を明らかとした。 1.「溶原ファージ配列の決定、比較」RSS様ファージ配列について:MAFF 106611株、MAFF 211271株の2株において塩基配列を決定した。さらにC319株、M4S株から誘発されたRSS様ファージの塩基配列とあわせ、4種のRSS様ファージ配列の比較を行った。RSM様ファージ配列について:MAFF 211270株、MAFF 730139株の2株において塩基配列を決定した。さらにゲノム解析が終了している青枯病菌(UW551株)について、溶原ファージ領域の推定を行い、これらの比較を行った。 2.「相同性組換えによるファージ配列の除去」C319株、MAFF 106611株からRSS様ファージ配列を除去する相同性組換え用コンストラクトを作製した。現在、エレクトロポレーション法によるファージ配列除去株の作製を試みている。 3.「溶原化配列のファージとしての機能の有無」RSS様ファージについて:C319株、M4S株、MAFF 211271株に溶原化している配列がファージとして機能することを確認した。RSM様ファージについて:MAFF 211270株、MAFF 730139株に溶原化している配列がファージとして機能することを確認した。 4.「宿主認識タンパク質(P3)の置換による宿主特異性への影響」RSS様ファージ、RSM様ファージ共にP3タンパク質のD2ドメインの置換のみで容易に宿主域を変更できることを明らかとした。
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