2010 Fiscal Year Annual Research Report
脱アミノ化酵素APOBEC2による筋分化時のDNA脱メチル化機構の解明
Project/Area Number |
22880025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 祐介 九州大学, 農学研究院, 特任助教 (50589520)
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Keywords | 骨格筋 / DNA脱メチル化 / APOBEC2 |
Research Abstract |
近年、多数の生物種のゲノムが解読されたが、遺伝子の発現調節はDNAのメチル化状態により高度に支配されており、そのメカニズムの解明が待たれる。本研究では、筋分化時のDNA脱メチル化に筋特異的脱アミノ化酵素APOBEC2が関与することを実証し、DNA脱メチル化機構の一端を解明することを目的とする。昨年、ゼブラフィッシュによる研究から、APOBEC2は筋サルコメア内に局在することが明らかになっている(Etard et al. JCB, 2010)。申請者は哺乳類でも同様の局在を示すか、免疫染色法によりAPOBEC2の筋細胞内の局在を検討した。その結果、培養初代骨格筋細胞を用いたin vitroの実験により、APOBEC2のサルコメアでの局在はサルコメア長に依存して変化することを明らかにした。すなわち、サルコメアが長くなるとAPOBEC2はコネクチンのN2A領域に集積し、短くなるとM線およびZ線に局在変化することがわかった。更に、C57B1/6マウスの長趾伸筋を用い、様々な伸展率で筋を固定後、免疫組織染色を行い、サルコメアの長さとAPOBEC2の局在パターンを詳細に検討した。その結果、in vitroと同様にサルコメアが長くなるとAPOBEC2はN2A領域に、短くなるとM線およびZ線に局在変化することがin vivoにおいても確認できた。また、in vivoおよびin vitroでAPOBEC2が核内にも存在することが判明した。このことから、APOBEC2の脱メチル化への関与が示唆された。
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