2010 Fiscal Year Annual Research Report
EGCG添加食の継続的摂取による小腸を介した食後高血糖抑制効果の検討
Project/Area Number |
22880028
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
島田 昌也 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (10576755)
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Keywords | EGCG / 小腸 / 食後高血糖 |
Research Abstract |
小腸の消化吸収関連遺伝子/タンパク質は小腸幹細胞であるクリプトの未分化細胞から吸収細胞へ分化する過程で発現し、栄養素や食品成分に速やかに応答できるようになる。これまで、食餌中の糖質の量や質に伴い、糖質の消化吸収関連遺伝子の発現が変動することを明らかにした。本研究では、膵臓のα-アミラーゼや小腸のスクラーゼといった糖質の消化酵素をin vitroで阻害することが報告されている主要な緑茶カテキン、エピガロカテキンガレート(EGCG)を添加した食餌を継続的に摂取させ、小腸の糖質消化吸収機能制御を介した食後高血糖抑制効果を小腸上部(空腸)におけるα-グルコシダーゼ(スクラーゼ、イソマルターゼ、マルターゼ、グルコアミラーゼ)の活性に焦点をあて検討した。7週齢のSprague-Dawley (SD)系雄性ラットに糖質エネルギー比50.4%の食餌(対照食)あるいは対照食に0.5% (w/w) EGCGを含む食餌(0.5%EGCG添加食)を7日間摂取させた後、空腸を採取した。体重ならびに摂食量は2群間で差はなかった。一方、非絶食下の血清グルコースならびに血清中性脂肪、脂肪組織(腸間膜、精巣上体)重量は0.5%EGCG添加食群において有意に低下あるいは低下傾向を示した。また、スクラーゼ、イソマルターゼ、マルターゼならびにグルコアミラーゼ活性も0.5%EGCG添加食群において有意に低下あるいは低下傾向を示した。これらの結果から、EGCG添加食の継続的摂取によるα-グルコシダーゼ活性の低下は、小腸の糖質消化吸収機能の抑制をもたらし、食後高血糖の抑制に寄与することが示唆された。
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